ゼロスくんの受難
「だーかーらー、俺さま別にやらしーことなんてなぁんにもしてないってば。信じてよリフィルさま~、予想以上に雪合戦が白熱しちゃったもんだから命がけのサバイバルゲームに発展しちゃっただけなんだってー」
「はいはい、わかったから早く朝食を済ませてしまってちょうだい」
「あーん、リフィルさま冷たーい! 不信の眼差しが痛いっ」
「ふむ、若さというのはいいものだな」
「朝まで雪合戦で寝不足というのは、若さというより幼いのではないでしょうか」
「だ、だよねプレセア! ゼロスってば子供っぽいよねー」
「いいなあ、雪合戦楽しそうだね。今度みんなでやろうよ!」
「おっ、それいいな! 一度全員でやってみるかぁ」
「おまえら……信じても信じなくても俺さまシカト? かーなしー……」
「ごめんよ、寝坊しちまったね…………ふぁ、あ」
「あ、しいなおはよー」
「しーいなー! ちょっと助けてちょーだいよ、俺さまみんなに疑惑の目で見られちゃってちょーかわいそーなんだけど」
「なんだい朝っぱらから……大体あんたのせいじゃないか、おかげであたしは腰が痛いよ」
「ゼロス、あなたやっぱり……」
「うわー、ゼロスやらしー」
「ゼロスくん、最低です」
「えええっ!? ちょ、なんでそーなっちゃうの!? てかしいなさんなんでそーゆー誤解を招く発言するかな!」
「何が誤解なもんかい。腕も足も筋肉痛だし喉は嗄れるし、まあ止めなかったあたしも悪いけどサ」
「これは……随分と、激しかったのだな……」
「だーからあああっ! 腰が痛いのはおまえが避け損なって変な風にコケたからだろーが! 筋肉痛は散々走り回って雪玉投げまくったからで、喉が嗄れてるのは走って息が切れたのとぎゃんぎゃん騒いで叫びっぱなしだったからだろー!!」
「ああもう、わかったからそういうことにしておきましょう」
「言い訳がましいなぁもう」
「いいなー、雪合戦やりたいなー」
「今度一緒にやろうな、コレット!」
「うん!」
「あぁ……なんで俺さまの主張を誰も聞いてくれないのー……」
「うー、ねむ……。なんだかよくわかんないけど、日頃の行いのせいじゃないのかい……」
「おまえが一番の元凶なんだっつーの!」
- 2009/04/24